サムスン社が携帯向けソフトで拡大戦略、オープンソースOS搭載機を2009年に倍増へ

 韓国Samsung Electronics(サムスン電子)社は、2008年12月8日に米カリフォルニア州サンフランシスコで開催した「Samsung Tech Forum 2008」において、携帯電話機向けたOSやアプリケーション、サービスなどの展開を拡大する方針を表明した。飽和状態に向かう携帯電話機市場の中で、こ の戦略によって成長率の低下を抑えたい考えだ。

 同社でテレコム事業の戦略立案担当シニア・プレジデントを務めるYoung Cho Chi氏は、「2008年の携帯電話機の売り上げは前年比20~25%増で、出荷台数の目標である2億台も達成した。しかし来年については、誰もが5%以 上のマイナス成長を予測している」と述べた。

 ただし同氏は、「2009年の数字はまだ確定していないが、こうした予測がある状況下でも、当社は引き続き成長が見込めると考えている」と語った。

 2009年に同社は、市場に投入するスマートフォンのモデル数を2倍に増やすとともに、タッチ・スクリーンによるユーザー・インターフェースを従来のハ イエンド機から、市場の主流を占める機種に至るまで幅広い機種に搭載するという。また同社は、基盤となるハードウエア・プラットフォームの数を減らす一方 で、これらのプラットフォーム上で動作するソフトウエア群については拡充を進める考えである。

 「当社の製品のほとんどは、今なお独自実装のOSを搭載している。しかし2009年には、オープンソースOSを採用したモデルを2倍に増やし、米 Microsoft社のWindows Mobileモデルのほか、SymbianモデルやLinuxモデルも展開していく計画だ」(Chi氏)。

 同氏によればSamsung社は、米Google社が主導するソフトウエア・プラットフォームの「Android」をSamsung社として初めて採用した携帯電話機を2009年に出荷する予定だと明らかにしたが、具体的な時期については言及しなかった。

 同社のオープンソースOSモデルの拡大戦略は主に、携帯電話キャリアとの取り決めによって進められている。携帯電話キャリア各社は、要求の異なるさまざ まな市場に向けて、それぞれ異なるソフトウエア・スタックを搭載した携帯電話機を提供したいと考えている。Chi氏は、「当社は近い将来、オープンなOS プラットフォームで利用可能なものについてはすべて、携帯電話機に採用していく予定である」と述べた。

 Samsung社は、携帯電話機の最大手メーカーであるフィンランドNokia社の戦略を追随している。すなわちNokia社と同様に、市場での差別化 を狙って、携帯電話機を中心に据えたアプリケーションやサービスの統合に取り組む。Chi氏は、「Nokia社にとって、コンテンツやサービスは、直ちに 大きな売り上げに結びつくものではない。しかし今後3~5年後で、携帯電話機向けのコンテンツやサービスは40億~50億米ドルの市場に成長する可能性が ある」と指摘した。

 Samsung社は2008年6月、テレコム事業を再編し、携帯電話機向けコンテンツの充実を図るため新たにモバイル・ソリューション・センターを設立 した。Chi氏は、「ソフトウエアは、当社の携帯電話機の事業戦略において、これまでより大きく、より重要な要素になってきている」と語り、同社が 2009年にハリウッドの映画スタジオやインターネット大手数社と携帯電話機向けコンテンツについて契約を結ぶ予定であることも明かした。

 6月の再編によって同社は、モバイルWiMAXネットワークに接続できる携帯型端末や、次世代のLTE(Long Term Evolution)規格に対応した携帯電話機に注力できる体制を整えた。

 Chi氏によれば、「当社は、モバイルWiMAXとLTE規格の両方をサポートする方針である。モバイルWiMAXの方が、LTEより4~5年先行する だろう。ただし最終的にはLTE規格の方が、現在の3G携帯電話ネットワークのように幅広い支持を集める可能性が高い」と語った。

 同氏は、「ハードウエアの機能は今後も、携帯電話機を差別化する重要な要素となるだろう」と述べ、その一例として、小型プロジェクタを搭載した携帯電話 機を同社が近く出荷予定であることを明かした。この携帯電話機は、会議中にPowerPointのプレゼンテーションを映し出したり、ホテルの部屋の壁に 映画を映したりといった使い方ができるという。

引用:EE TIMES Japan